○●。消化・吸収・排泄。●○
敵を知るにはまず味方から、といいますが、腸のトラブルを完全に克服するには、
まず自分の体を知ることが絶対に必要です。

腸のトラブルのもとである便秘や下痢・宿便になるのは、体の消化・吸収・排泄の
メカニズムがきちんと働いていないからですが、体そのものへの興味や知識が少なく、
無意識にそのメカニズムに反した生活をしていることも原因のひとつです。
食べたものはいったいどのような道筋をたどって排泄にいたっているのか……。

「そんなこと知っている」という人も、もう一度確認してみましょう。
他の病気の基本的な知識も得られます。


◆食べ物が「消化→吸収」されるまで
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まず、食べたものを口の中で噛み砕くことから消化活動はスタートします。

噛んでいると唾液か出ますが、この中には「アミラーゼ」という泊化酵素が含まれていて、
デンプンの一部はこの唾液によって、さっそく消化されます。
口の中で咀噌された食べ物は、固形物だったら約30~60秒、液体ならば約1~6秒という速さで
食道を通過し、胃に入ります。胃でも、口と同じような撹絆作業が行われ、さらに細かく砕かれます。

胃壁からは「ペプシン」という消化酵素を含んだ胃液が分泌され、今度はタンパク質の一部を
分解・消化します。胃壁もタンパク質でできていますが、胃壁から分泌される粘液によって
守られていますので、胃液が胃壁を消化してしまうことはありません。

しかし、ストレスなどによってこの防御システムがうまく機能しないと、
胃炎や胃潰瘍を起こすことになります。胃液は強力な酸性で、食べ物と一緒に入ってきた
雑菌をある程度殺す役割も果たしています。

約4時間後、食べ物は十二指腸に送られます。
十二指腸は小腸の人口の部分で、肝臓や胆のうから出る「胆汁」や、豚臓でつくられた
「騨液」などと混ざり合います。
理想的な便の色とされる黄褐色は、この段階の胆汁の影響によるものです。

さらに吸収されやすい状態になった食べ物は、十二指腸に続く空腸、
回腸と呼ばれる部分に運ばれます。
あまり聞き慣れない名前ですが、実は、食べ物が本格的に消化され、栄養分や水分が
吸収される重要な舞台なのです。
その証拠に、十二指腸、空腸、回腸を合わせた小腸全体の長さは6~7mもあり、
粘膜の表面には、ヒダ(じゅう毛)がたくさん寄り集まっていて粘膜の表面積を広くし、
食べ物との接触時間を長くするようにできているのです。

ここで分泌されるアミラーゼ、トリプシン、リパーゼなどの酵素が消化する栄養素は、
糖分、タンパク質、脂肪です。水分の約90%もここで吸収されます。通過時間は1~2時間です。

●排泄がカギを握る……食べ物が「吸収→排泄」されるまで
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食べ物を口にしてから約6時間後、
いよいよ内容物(これまでの過程で消化されなかった残り物)は大腸に到達します。
大腸は、盲腸、結腸、直腸の3つの部分からなります。

食べ物は結腸に到達すると、それまでに比べてゆっくり進んでいきます。
その速度は時速10センチといいますから、カタツムリよりも遅いことになります。

内容物はこの結腸をうねうねと進みながら、残りの水分を吸い取られてだんだん
便らしくなっていきます。同時に、古くなってはがれ落ちた腸の粘膜や分泌物、腸内細菌の
残骸などと混じり合い、直腸までたどり着くころには、どこからみても立派なうんちとなります。

ちょっと意外かもしれませんが、便の約3分の1は、このような粘膜や分泌物、細菌の残骸なのです。

大腸の中には、名前のわからないものも含めると約400~500種類100兆個の
細菌が住み着いていて、ひっきりなしに分裂、増殖、死滅を繰り返しています。


腸内細菌は大きくわけると2種類。善玉菌と悪玉菌です。
善玉菌の代表はビフィズス菌で、糖質を発酵させ、腸内を酸性に保つ乳酸や酢酸を
つくって腸内の環境を整えます。他にも、ビタミンB群をつくり出したり、
がんを防止したり、腸の動きを活発にするなどのよい働きをしてくれます。

悪玉菌の代表はウェルシュ菌です。タンパク質を腐敗させ、
有害物質や悪臭のもとをつくります。

ウェルシュ菌を増やすのは肉類です。肉類ばかりの食生活だと、この悪玉菌が
増えて大腸内をアルカリ性にし、老化を進めるのです。

通常、食べ物が消化・吸収されて排泄物が結腸を通り抜け、S状結腸まで行くのに
6時間かかります。ということは、食べ物が口に入ってからは約12時間後です。
S状結腸から排泄されるまでにさらに約12時間かかりますから、合計約24時間で
便意を感じ、体外へ押し出されて食べ物の旅は終わるのです。


◆便意を感じたらすぐトイレに・・・ますはとにかく「出す」ことから
便を送り出すには、嬬動運動(腸の収縮運動)が必要です。
腸壁の筋肉が、波が押し寄せるように少しずつ移行しながら収縮するこの運動は、
ちょうどミミズがはう動きに似ています。
この運動によって食べ物は先へ先へと送られていきます。

口から入った食べ物が便の形になるのは、大腸に入ってからですが、
上行結腸や横行結腸では水に溶けたようなドロドロのお粥状態です。
それが、下行結腸からS状結腸にかけて少しずつ水分が吸収され、
ほどよい硬さの便になります。

便意を起こすのは主に直腸で、排便に向かって次のようなさまざまなシステムが働いた
上でのことです。まず、S状結腸から直腸に便が運ばれるきっかけとなるのが
「胃・大腸反射」です。これは、食べ物が胃の中に入ると、胃が膨らみ、それによって
胃から大腸に信号が送られ、大腸は反射的に収縮して直腸に便を送り込もうとします。

こうして、便が直腸に送られると、いよいよ便意を催します。これは、直腸内に便が送
られることによって直腸内部での圧力が高まり、腸壁が刺激されて、
その刺激が大脳に伝わり、便意として感じるためです。

便意を感じた大脳は、すぐに排泄指令を出します。
つまり、体が「いきむ」あの態勢に入るわけです。
直腸が収縮して肛門の括約筋がゆるみ、便が排泄されます。

これを「直腸・肛門反射」といい、
このとき、腹筋などのおなかの筋肉も収縮して腹圧を高め、排便を促します。

さらに、排泄をサポートするように、直腸から結腸にも「便がたまっている」という
合図が送られます。すると、結腸は便を送り出すよう活発に運動を開始し、
直腸へとさらに送り込もうとします。
これを「直腸・結腸反射」と呼んでいます。

以上のような「胃・大腸反射」「直腸・肛門反射」「直腸・結腸反射」のシステムが
総動員されて連携し、バランスよく機能することによって、
便ははじめて排泄されるのです。


つまり、便意を感じたらすぐにトイレに行って軽くいきむことが
とても大事だということです。
この便意を逃してしまうと、一連の連携プレーが水の泡となります。


体が排便に向かって進めてきたせっかくのお膳だても、あなたの意志
(がまんや便意の無視)ひとつで台無しとなり、便意は消えてしまいます。

全身の健康を保ち増進する上で、なんといっても大事なのは、「排泄=出す」行為です。
どんなに栄養のあるものを食べても、前に食べたものの「かす」が腸内に
残っていたのでは、うまく吸収も排泄もされません。

体の仕組みは順調に吸収・排泄されるようにできているのですから、
不調になったらその仕組みのどこを邪魔しているのか、会員の薬局・薬店で相談して、
順調な流れに戻すよう生活全般を見直してみることが必要なのです。

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