○●。秋の薬草 葛(クズ)。●○
葛は、秋の七草の一つで、よく使われている薬草でもあります。

秋の七草は、以下の通り
女郎花(オミナエシ) オミナエシ科
尾花(オバナ:ススキのこと) イネ科
桔梗(キキョウ) キキョウ科
撫子(ナデシコ) ナデシコ科
藤袴(フジバカマ) キク科
葛(クズ) マメ科
萩(ハギ) マメ科

葛は、風邪の漢方薬として知られている「葛根湯(かっこんとう)」の主成分です。
葛根(かっこん)という名の通り、根が主に用いられますが、花も用いられます。
「救民妙薬」には、二日酔いに「葛の花」を用いるとあります。
また、葛の根からデンプンをとり、精製したものを葛粉(クズコ)といいます。
しかし、クズコと称するものの大部分は、葛が原料ではありません。
そこで、本物の葛のクズコを本葛という場合もあります。

生姜湯(ショウガトウ)は、風邪のときに用いると、治りが早まります。
これには、クズコが入っていますが、市販品の多くは、ダダのデンプンが大部分です。
やはり本葛を使用しているものが効きます。

この文章を書いているうちに、昔 暗誦した和歌を思い出しました。
誰の作かは、忘れましたが。
『葛の花 踏みしだかれて 色あたらし。
            この山道を 行きし人あり。』

葛の根である葛根は、早くも、最古の薬物書である「神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)」に記載されています。また、種についても触れています。

神農本草経
葛根: 別名を斉根ともいう。味は甘く平である。川や谷に生ずる。消渇、身の大熱(解熱作用ということ)、嘔吐や諸々の麻痺や痺れを治す。陰氣を起こし(精神状態が良くする)、諸毒を解す。
葛の種は、下痢を治す。 


江戸時代の「救民妙薬」には、葛(葛根)が何ヶ所かに収載されています。
救民妙薬
葛  諸々の毒を解す  葛の根を、煎じて用いると良い。
   淋病の薬    葛の粉、カワニナの同量を粉にして、1匁ずつ、葛水にて用いる。
   霍乱を治す   葛の粉10匁、胡椒4匁を粉にして用いる。かくらん、または虫(寄生虫)、食傷(食中毒)、下痢のいずれにも良い。
葛の花  酒毒(二日酔い)には、葛の花を陰干しにして、お湯で用いると良い。



「実用の薬草」  栗原愛塔先生
葛:根は発汗解熱の効がある。冬季に根を掘り取り(地下30cmより、さらに深いところのが良い。)日干し、5~8g煎じて飲む。たいがいは、漢方で有名な「葛根湯」の原料として用い、単味で使用することは少ない。花は酒毒を解する。1回3~7g煎じて飲む。
る。

「薬草カラー図鑑」   伊沢一男先生
クズ 葛
採取時期と調整法 根はナマのままで夏か秋、花は8月ごろに採取する。総状につく花は下の方から咲くので、一番下の花が咲き始めたころをめどににする。風通しのよいところで、日干しにする。

薬効と用い方  健康飲料に水洗いした生の根を約100g、小さく刻んでミキサーにいれ、水を加えて砕いた後、繊維質が沈殿したら、上澄み液を別の容器に移し、これを1週間分とし、朝夕2回、食前に飲む。飲み残しは冷蔵庫に保存しておくこと。 
二日酔いに  乾燥したクズの花(葛花)3~5gを300ccの水で煎じ、煮立ったら火を止め、冷めてから飲む。
風邪のひき始めに くず湯として熱いものを飲む。


最後に、
「活血化瘀治療疑難病」  翁維良先生主編
には、活血化瘀薬物 の一つとして葛根が記載されています。
葛根  風邪薬としての作用のほかに、活血化瘀作用があるとして「生(の葛根)は破血の作用がある」としています。(破血ハケツとは、強力な血流改善作用などをいいます。)
葛根及びその抽出物のフラボンには、血管拡張作用がある。
高血圧性頭痛、眩暈、動脈硬化、狭心症の痛み、突発性難聴、中心性網膜炎など広範囲に用いる。

葛は葛根湯の主成分ですので、比較的なじみのある生薬ですが、効き目は、実はたいしたものなのです。
 
[秋の薬草

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