冬に向かうと、この病気は悪化しますから、いまの状態を保てばよいわけです。
お母さんと話して、痛感したのは、情報が少ないと言うことです。
治療法がある無しに関わらず、情報は多いほど良いでしょう。
その中から、良くなることへのヒントがあるでしょう。
今何かを調べるとすると、まずネットでしょう。
私も、始めネットで調べましたが、日本語では、あまり情報がありません。
また、ネットは、ある程度しか信用できません。
そこで、手元にある文献には、何かあるだろうか、と探してみました。
そうしたら、ありました。
「メルクマニュアル」(第19版)に2ページ。これは、英文を日本語にしたものです。
もう一つは、中国語の書籍です。
「常見皮膚病図譜(じょうけんひふびょうずふ)」という本の末尾の「その他(の皮膚病)」の章の、最末に「魚鱗病」と言う称で、1ページだけ記載されていました。
大分前に買って、ほおって置いた本です。
(人民衛生出版社。北京。北京医学院第一付属医院皮膚科編。1978年5月とありますから、
78年以降80年代に買ったのでしょう。長いこと眠っていました。)
この「常見」とは、よく見かけるという意味です。
「よく見かける皮膚病図鑑」と言うことになります。
「よく見かける」という本に、末尾とはいえ、記載されているのですから、やはり、中国では、魚鱗癬の患者が多いようです。
中国には「魚鱗せん」の患者が多いと、つい先日、中医の先生に確認しました。
ざっと内容を紹介します。
原文では、魚鱗癬(ぎょりんせん)を、「魚鱗病」としてありますので、そのまま魚鱗病としました。
魚鱗病
魚鱗病は遺伝に関係する疾病である。よく見られるのは、尋常性魚鱗病と先天性魚鱗病紅皮病である。
◎症状
尋常性の魚鱗病の大多数は、児童期に出現する。症状が、重いのから軽いのまで様々である。成人期に達すると、軽減する場合がある。
症状が一番多く見られるのは、下腿の外側である。次が上肢、下腿の大腿及び体幹である。症状としては、魚鱗状を呈し、鱗屑がある。中心部は、淡褐色と皮膚が粘着し、ふちは少しそりあがっている。一般的には、自覚症状はない。
度を過ぎた入浴は、皮膚の乾燥をひどくし、痒みが出てくる。冬季には、皮脂及び汗の分泌が減少するので、症状が悪化し、夏季には軽減する。
先天性魚鱗病紅皮病は、生まれてすぐに出現し、全身の皮膚は、紅潮する。
広い範囲に魚鱗様の鱗屑状の斑があるほかに、表皮には極めて細かい亀裂があり、毛は少なく、手足の爪は栄養不良で、手の平と、足の裏は赤く角化して肥厚している。
◎治療
以下の軟膏を外用する。
5%サリチル酸軟膏、10%魚肝油軟膏、10%食塩軟膏、25%尿素軟膏など。症状を軽減する。
ビタミンA、Dの注射が一定の効果がある。
以下の中薬の内服をしても良い。
塾地黄(ジュクジオウ)、当帰(トウキ)、丹参(タンジン)、首烏(シュウ)、胡麻仁(ゴマニン)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、川除U(センキュウ)。
また、1日量として、蒼朮(ソウジュツ)5銭、甘草(カンゾウ)2銭を水で煎じて服用する。
以上ですが、この治療の項目は、残念ながら効きそうにありません。
魚鱗癬について情報があまりにも、少ないので、
参考のために、記しました。