最近、患者さんのタイプに、少し異変があるのに気がつきました。
「男は下痢、女は便秘」というのが従来のパターンです。
もともと、女性には、便秘が多いのですが、
最近は、男性の便秘の方が多く見えるようになりました。
しかも、年配といいたいところですが、70歳以上の方が大部分です。
つまり、男性の老人の便秘の方が増えてくる傾向にあります。
先日は、こんな方が見えました。70代の男性です。
何か興奮して怒っているようです。
初めて当店に来たのですから、当方に怒られる理由はありません。
便秘薬を飲んでも、すっきりしない。
などなどと言っていて、何で興奮しているのかわかりません。
そのうち、こういう薬を飲んでいるのに効かないと言い出しました。
見ると、近所の薬局で投薬された処方薬の説明書を取り出しました。
(そこには、便秘薬は含まれていません。)
それなら、そこに行けばいいのじゃないかと、心の中で思いました。
よその、店の苦情をこちらに持ってこられても、迷惑なだけです。
たまに、そういう不思議な人がいますが。
しばらく、話を聞いて、どうやら、こういうことだろうと見当をつけました。
便秘になって、どこか(当店、昭和薬局ではありません。)で、便秘薬を買った。
出ることは出るが、出が悪く、すっきりしない。
硬いコロコロ便だ。腹部に不快感が残った。どうにも、気持ち悪い。
そこで、医者に行った。
腸の働きをよくする薬を処方された。
(処方された薬の中には、便秘薬が含まれていません。おそらく、本人が便秘薬を持っていて、出ることは出ると、この勢いで言ったのでしょう。それで、腸の働きを良くする薬だけを、それにプラスすることにして、処方したのでしょう。)
それを、わざわざ、少し離れた調剤薬局に行き、投薬された。
しかし、それを飲んでも、一向に改善しない。
先生に、訴えられたら、出ているから良いだろうと、言われた。
どこに行っても、相手にされない、自分の大変困った状態に、誰も、相談に乗ってくれない。(便秘では、誰も気の毒だとは、思わないでしょう。)
これで、なぜ興奮して怒っているのかがわかりました。
現在の症状そのものが、不愉快なこと。
(老人の場合、便秘だと、1日中出たとか出ないとか、それが頭の大部分を占めることが良くあります。それで、家族が困っている場合が、多々あります。)
医者に行っても、満足な結果を得られなかったこと。
おそらく、医者に行けば、すべて良くなると、信じ込んでいたのでしょう。
この世代には、こういう考えをする人が多いようです。
しかも、大変な不快な病気である自分に、懇切丁寧に対応すべきだと、硬く決めつけています。
しかし、医者から見たら、便秘などは、病気のうちに入らないでしょう。
何しろ、本当の病気の人が(最近は、インフルエンザの患者もあふれています)、待合室にあふれているのですから、便秘などに、時間はさけないでしょう。
また、便秘薬を買った店、多分ドラッグストアでしょうが、何も話をしてくれないこと。
どこに行っても、誰も、まじめに対応しなかったこと。
まあ、対応できないでしょう。
この方の、要求をかなえる薬品、商材、方法は、一般的には、無いでしょうから。
このようなことを、何故か、第三者である、私にぶつけたのでしょう。
この方は、今まで、1度も昭和薬局に来たことはありませんから、当方には責任がありません。
こういうことですか、とその方の話を整理して、話してみると、すこしづつ落ち着いてきました。
それから、今の状態は、どういうことかを、説明しました。
また、どうしたらよいかを話しました。
具体的には、「イサゴール50億」と「イサコロン」をあわせて、飲んでもらうことにしました。
イサコロンは、便の量を増やしながら、出させるハーブ便秘薬です。イサゴール50億には、便の量を増やす食物繊維、善玉菌であるビフィズス菌、腸の中の善玉菌を増やす材料が入っています。
この、二つを組み合わせると、大体翌朝、大量にドカッと出ます。
本人が、びっくりするくらいの量が出ることが多い。
イサゴール50億、イサコロンは、その人の便秘の状態によって、使う量を変えます。
その、2,3日後にまた来店しました。
この時は、その人とは、最初は思いませんでした。
それほど、態度や、顔つきが変わっていました。
伺ったところ、この70代の男性も、来店した翌日には、満足のいくような形で大量の便が出ました。久しぶりにすっきり感がありました。
腹部膨満感や、何かあるような不快感は、なくなりました。
不快な症状が消失したので、本来の穏やかな顔、態度になったのですね。