『魔女の薬草箱』という本には、面白いことが書いてあります。
古代ローマの小説に『黄金のロバ』というのがあります。
読んだことは無いのですが、奇想天外の面白い小説だとのことです。
ある魔女がフクロウに変身する軟膏を塗ってフクロウになった。
その、フクロウからもとの人間の姿になるのには、「ウイキョウをちょっぴり桂の葉に添え、泉の水に浸したものを身に浴びるか飲むかするだけ。」だそうです。
また、中世のヨーロッパでは、根の抽出液には解毒作用と利尿作用とがある。
種子をお茶のようにして飲むと便秘に絶大な効果がある。
実を噛むと空腹感がおさまる。
(効果のほどは、保障できません。念のため。)
日本ではどうかというと、
伊沢一男先生の『薬草カラー図鑑』には、
健胃・駆風・去痰に:
茴香を粉末として、1日量0.5g~2gを数回に服用する。
駆風とは腹にたまったガスを排出することを言う。
スパイスに:
料理用に用いるには、茴香をひいて、魚や肉のソースなどの風味添えに使用する。また、ロシア風の漬け物にも用いられる。料理関係では「フェンネル」という英語名が通用している。
と、極めて散文的なことが書いてあります。
さて、生薬としての「茴香(ウイキョウ)」と、スパイスとしての「フェンネル」との違いですが、植物的には同じです。
しかし、生薬としての「茴香(ウイキョウ)」は、有効成分が多いのを用います。また、匂いも、「ウイキョウ」の方が、「フェンネル」より強いので、やはり釣りにも、「ウイキョウ」の方が向いているでしょう。
「ウイキョウ」について。
なお、近辺の方で、「ウイキョウ」が欲しいという場合は、数g程度でしたら、差し上げます。「ウイキョウ」は、500gが一袋ですので、使いきれないでしょうし。
ただし、直接御来店くださる方に限ります。
生薬としての「ウイキョウ」を小売している店は、まずないでしょう。